どうも、ぺのっぺです。
(への)/
今日は以前頂いたコメントを基に、
「ローマ字のつづり」について
考えて行きたいと思います。
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コメント:なぜ「TOUKYOU」じゃない?
以前、ゴルフワンさんから
このようなコメントを頂きました。
小学校のパソコンの授業で、あれ?と思ったのはまさにヘボン式のローマ字です。
当時、自分の名前はローマ字で書けていたのですが、その通りにキーを打っても名前が不完全になりました。
例えば、「とうきょう」はTOUKYOUと入力しなければならないところを、TOKYOと打っていたため、「ときょ」としか表示されないということです。
確かに、お名前に「長音」が
含まれている方は、
ゴルフワンさんと同じように、
変換で疑問に思われた経験が
お有りかもしれませんね。
YAMADA TARO
「長音」が表記されていない!
これじゃ、タロとジロじゃん!
それでは、一体なぜ?
「TOKYO」と
つづるのでしょうか?
なぜ、「TOKYO」とつづる?
「ヘボン式」だから?
確かに、英語で習う「ヘボン式」は
英語圏の人が日本の地名や人名を
読みやすいように作られているので、
「長音」は表記されません。
駅名などは地名の区別のためか
上に「長音記号」を付けてありますが…、
TŌKYŌ
パスポートやクレジットカードなどは、
国際基準に合せてあるためか、なぜか
「長音」は表記されません。
そのため、
ユキさんとユーキくんが
同じになってしまいます。
YUKI
→ユキ or ユーキ
だから、
英語準拠の「ヘボン式」が
「TOKYO」の原因のように
思えるんです。
訓令式でも「TÔKYÔ」!
でも、小学校の国語で習う
五十音図に基づいた
「訓令(くんれい)式」でも
東京は「TOUKYOU」とは
つづりません。
「^」という長音記号を付けて
「TÔKYÔ」と表記します。
TÔKYÔ
元祖ローマ字も「ROMA」!
でも実は、ローマ字は元来
長音を区別しない文字なんです。
誕生当初の古代ローマ字↓↓
「ローマ」は「ROMA」と
つづります。
「RO-MA」でもなければ、
「ROUMA」でもありません。
長音の有無による
単語の区別はありましたが、
単語表記にまで反映させて
なかったんですね。
それは、
日本語のローマ字になっても
同様です。
だから、
「東京」は「ROMA」同様、
長音を表記に反映させずに
「TOKYO」と
つづるわけなんですね。
〜
また、長音を表記に
反映しない文字だったため、
長音表記は「Ō」や「Ô」など
上に長音記号を付けた特殊表記に
なってるわけです。
RŌMA:RÔMA
なぜ、「TOKYOU」と打つのか?
さて、ここからは、反対に、
なぜ、「東京」は
「TOUKYOU」と
打つのか?について
考えて行きたいと思います。
「ひらがな表記」準拠だから!
それは、ワープロ式が
「ひらがな表記」を
「転写」することで、
「漢字変換入力」を
行うからなんです。
そう、漢字はひらがな表記と
対応付けて変換されます。
なので、
「ひらがな表記」にはない
「カタカナ表記」の「ー(-)」だと
漢字変換されないんですね。
<カタカナ表記>
TO-KYO-
→とーきょー
→トーキョー
⇒東京
あくまで、
「ひらがな表記」で打たないと、
対応付けがされてないため、
漢字変換されません。*
<ひらがな表記>
TOUKYOU
→とうきょう
⇒東京
*もちろん、カタカナ語なら、
「ー(-)」表記で変換されますよ。
ko-hi-
→こーひー
⇒コーヒー
あくまで、「漢字変換」が
「ひらがな表記」準拠なのであって、
カタカナ語の変換は
ひらがな表記準拠ではありません。
というより、
カタカナ表記準拠で打たないと
変換されませんよね(笑)
<ひらがな表記>
kouhii
→こうひい
→公費井??
⇒コーヒー
(変換不能!)
〜
対し、
ワープロ式以外の他の方式、
ヘボン式や訓令式などは、
英語の子音や、
日本語の五十音に基づき、
現代仮名遣いを無視して
「直接」日本語の音声を
つづろうとします。
そのため、漢字変換と
対応付けられていません。
だから、
ヘボン式の「TOKYO(ときょ)」や
訓令式の「TO^KYO^(とーきょー)」
では、「東京」と変換されないんですね。
もちろん、これは駅名のヘボン式、
「TO-KYO-(トーキョー)」でも
同様です。
TO-KYO-
→とーきょー
→トーキョー
⇒東京
こちらの方は一応、
カタカナ表記の
「トーキョー」にまでは
変換出来るんですけどね(笑)
TO-KYO-
⇒トーキョー
でも、なぜか、
スペースを連打しても
「東京」には直せない…orz
「TOKYO」で「東京」と打ちたい!
それでも、
「TOKYO(ときょ)」で
「東京」と打ちたいですよね?
2020年も間近ですし、
「TOUKYOU」なんて、
「COOL JAPAN」を
「KUURU ZYAPANN」
と表記する位、違和感があります。*
というわけで、ここからは、
何とかして、「TOKYO(ときょ)」で
「東京」と打てないか?
色々模索して行きたいと思います。
*一応、英語の発音記号だと
「tóʊkiòʊ」…、
「TOUKYOU」さながら
ではあるんですけどね…(笑)
何気にカタカナ語の
「トーキョー」よりも
「とうきょう」に近い!w
ヘボン式準拠の漢字変換は?
まず、ここで、
ひらがな表記準拠にせず、
ヘボン式ローマ字準拠で
直接漢字変換しては?
という意見が聞こえてきそうです。
確かに、
ヘボン式準拠にすれば、
基本、長音を区別しないので、
「TOKYO(ときょ)」でも
「東京」と変換出来そうですよね。
でも、長音の有無で
単語を区別している日本語で、
そう対応付けて行くのは却って、
ややっこしくなりそうです。
何ぶん、
ユキさんとユーキくんが
同じ変換候補に並ぶわけですからね。
YUKI
→ユキ or ユーキ?
「TOKYO(ときょ)」などを
例外として変換候補に加えて行くのが、
おそらく現実的なところでしょう。
〜
それに、よくよく考えたら、
長音を表記しない「ヘボン式」は、
「漢字変換」だけでなく、
「カタカナ語の変換」も、
出来ないわけですからね。
kohi:こひ
コヒ?コーヒー?
公費?孤悲?一体どれ?
「ー(長音)」がないと、
カタカナ表記にならないので、
カタカナ語を入力できない!
やはり、一律にヘボン式で
漢字変換するというのは、
却って混乱しちゃうと思います。
「長音」のある方式なら?
ならば、長音記号のある
駅名のヘボン式や訓令式なら
どうか?
確かに、それなら、
長音が表記されるので、
ユキさんとユーキくんは
変換候補が区別されます。
YUKI→ユキ
YU-KI→ユーキ
YUKI→ユキ
YU^KI→ユーキ
既存の変換候補をあまり変えず、
漢字変換に対応できるでしょう。
でも、「特殊文字」になるため、
タイピングでは併記することに
なります。
TO-KYO-
TO^KYO^
でも、そうなると、
つづりの方は「不格好」に
なっちゃうんですね。
一応、ドイツ語圏とかだと、
特殊文字の点々:ウムラウトの
入力ができないときの代用表記に
「ä→ae」「ö→oe」「ü→ue」
と併記するのがあったりするんですが…、
でも、「-」「^」は
アルファベットではないですし、
併記する記号でもないです。
片仮名に混ぜ書きされる
「ー(長音記号)」なら、
見た目に収まりもいいので
違和感は感じないですけど…、
トーキョー
元来「上」に付けるべき記号を
「併記」するというのは…、
TO^KYO^
「代用表記」といっても
やはり無理がありますよね。
それに、「-」なんて
「ハイフン」ですし…。
TO-KYO-
これで「東京都」とか
打っちゃったら…、
さらに混乱しちゃいますね。
TO-KYO-TO
「tokyo-to」はわかるけど、
「to-kyo-to」??
「h」を長音にすれば?
さて、他には「h」を
長音に当てて使う方法が
一応考えられます。
TOHKYOH
「oh〜」などでも
お馴染みですからね。
ですが、
通常の「h」とダブると…
kohhih
(コーヒー)
読みづらい!
…
それに、これだと、
「東方」シネマーズの、
「TOHO(トーホー)」が、
「トホ」と「トーオ」に
割れてしまいます…。
「h」が長音も兼ねることで、
長音想定のヘボン式の表記が
通常の「h」表記と重なり、
読み化けてしまうからです。
なので、「トーホー」とは
読まれません!…
両者の統一は難しい〜!
やはり、
打つためのローマ字と
読み書きのためローマ字
両者の統一は
難しいようです…。
打った通りに読み書きされ
読み書きするように打つ!
この点では、
英語の方がシンプルですね。
読み書きは難しいですけど…orz
コラム:99式なら!
さて、さて、実は、
ワープロ式以外にも、
「TOUKYOU」とつづれる
ローマ字の「新方式」が
考案されていたんです。
それが、「99式」!
その名の通り、
1999年に考案された
新しい方式です。
この方式では、何と!
「東京」を「TOUKYOU」と
つづります。
TOUKYOU
これは驚きですね!
…ただ、新しい方式で、
普及もしなかったため、
実際に使われているのを
見付けるのはかなり難しい状況…。
でも、家の片付けをしていたら
1つ見付けましたよ!
2000年頃、フィンランドの
サンタさんからもらった
図書カードの封筒!
何と、そこに
「Toukyou-to」と
印字されてました!
時代ですね〜(笑)
〜
さて、こちらの99式。
ワープロ式同様、
「ひらがな表記」を
転写します。
他の方式と異なり、
直接日本語の音声を
つづるのではなく、
ひらがな表記の代わりに
ローマ字を用いる
「代書法」として
考案されたからです。
ただ、もちろん、
タイピングが目的ではないので、
ワープロ式と完全にイコールでは
ありませんよ!
「ひらがな表記」の代わり
という点では、ワープロ式と
同じですが…、
ワープロ変換を意図していない
ところで違いが出てきます。
例えば、
「カタカナ語入力」に使われる
「ー(-)」を使わないなど。
カタカナ語の変換に
「ー(-)」が必要なのは
上述の通りですが…、
何と99式では「ー(-)」を
使わないんです。
コーヒー
→koohii
(ko-hi-)
そのため、
99式でタイピングすると、
カタカナ語をうまく
変換できません。
koohii
→こおひい
→小お非違???
カタカナ語の変換が
「ー(-)」表記と対応付けて
行われているのに、
99式が「ー(-)」表記を
母音の連続表記で代用して
しまってるからです。
ko-hi-(コーヒー)
↓↓代用!
koohii(コオヒイ)
そのため、
カタカナ表記がうまく転写されず、
対応付けが一致しないため、
変換されないんですね。
つまり、99式は
カタカナ語の変換などは
意図していない方式なんですね。
あくまで、
ひらがな表記に基づいて
日本語を表記できれば
いいのであって、
カタカナ表記の再現は
含んでいないわけなんです。
ただ、一応、
「母音連続表記」で
代用はされているので、
ひらがな表記とカタカナ表記は
ある程度区別出来ます。
TOUKYOU(とうきょう)
TOOKYOO(トーキョー)
でも、「ookii(おおきい)」など、
例外も結構多いので、
「ー(-)」表記のように
完全に区別することは
できないんですね。
〜
ただ何にしても、
「ローマ字」だけで
日本語を表記しなければ
ならないときのためのものなので、
「ー(-)」の変換など、
ワープロ変換全体に準拠した
ローマ字表記ではないわけなんですね。
それに、訓令式などと違って、
特殊記号なしに書き分ける
意図もあるようなので、
こうした特殊記号なしの
長音表記はある意味、
仕方ないのかもしれませんね。
ちょうど、ドイツ語の
「ä→ae」「ö→oe」「ü→ue」
といっしょです。
それに、
ワープロ式はワープロ式で、
ヘボン式をある程度
含んじゃってますからね。
これでは、もう〜、99式と
イコールでは結べません。
中には、ヘボン式にすらない
奇妙な打ち方までありますし…。
remonntexyi-
⇒レモンティー
ci-qa-sa-
⇒シークァーサー
ただ、こちらに関しては
別記事の方で詳しく扱えたらと
思います。
まとめ
★「東京」を
「TOKYO」とつづるのは
ローマ字が元々「長音」を
表記しない文字だったから!
☆「東京」を
「TOUKYOU」と打つのは
漢字変換が「ひらがな表記」
準拠だから!
*「TOKYO(ときょ)」で
「東京」と打つのは、
漢字変換が混乱するので、
例外適用で実装するのが現実的!
〜
以上、なぜ「東京」は
「TOKYO」とつづる?
でした。m(_ _)m
というわけで、今日はこの辺で。
それでは、また(への)/
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