ホントは怖い漢字の成り立ち。でも、どこか神話的!?

どうも、ぺのっぺです。

(への)/

今日は漢字の「成り立ち」について

取り上げて行きたいと思います。

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前に、漢字の元祖である

「甲骨文字」をご紹介しました。

絵文字よりも記号的な

シンプルな外見に驚かされましたね。

でも、今回はもっと踏み込んで、

「成り立ち」について見て行きますよ。

*甲骨文字フォントが足りないので、

ほとんどマウス書きで補っています。

汚いとは思いますが、ご容赦下さい。

本当は怖いポジティブ漢字

漢字の作られて時代は

古代中国「殷(いん)」の時代。

怨霊」や「邪霊」の存在が

信じられていた時代です。

前回はオブラートに

「占い」とだけ触れましたが、

むしろ「呪い(まじない)」

いや、「呪い(のろい)」

じみていたんです。

もちろん、

占い」はしてましたが、

ちゃっかり「ウミガメ」が

犠牲になってました…

なので日頃

ポジティブに使っている漢字達も…

異郷に踏み入る際、

先頭の者がその土地の者の首を持ち、

その怨念を使って

その土地の魔を祓い進む様子…

そうして祓われたところが「道」

眉飾りした巫女に見せられてる悪夢!

そうして死ぬことを「薨(コウ・みまかる)」

空に突如現れた双頭の大蛇!!

不吉の現れ!!

(虫は「へび」の形)

戦で耳を「文字通り」取る!

取った耳を集めた袋が「最」!

目をつぶされた盲目の奴隷…

その様子は「眠」っているよう…

どうでしょう?

もはや「ダークファンタジー」ですよね!?

でも、どこか神話的!?

でも、どこか

「神話的」でもあります。

というのも、

愛とロマンスの『ギリシャ神話』

ホントは怖い『グリム童話』の中にも

こうした「ダークファンタジー」

多分に含まれているからです。

なので、「漢字」だけが

特別怖いわけではありません。

例えば、「導」

メドゥーサの首を持ち帰る

英雄ペルセウス

(ペガサスに乗った英雄)

を思わせますし…、

しかもアテーナーがそれを

アイギスの盾に埋め込む!

「夢」だって

哲学の世界では古くから

現実そのものが

人智を越えた悪しき存在によって

見せられている夢である

という解釈が繰り返し

されてきましたからね。

夢を「見るもの」ではなく

「見せられているもの」

と捉える解釈は

現代でも通用しそうです。

実際、「カルテジアン劇場」や

「水槽の中の脳」など、

現実を夢として解釈した喩え話は

SFの題材にもなってますしね。

また、「虹」

不吉な大蛇というのも

日食などの不気味さと重ねれば

わからなくもありません。

当時はもちろん、

虹の仕組みはだったわけですから、

説明不能な気象現象を不吉に思うのは

無理もないでしょう。

「取」だって、

『耳なし芳一』を思わせますし、

戦国時代なら当たり前でしたからね。

「民」の目が潰されてるというのは、

現代でも「情報操作」などあります。

もちろん、当時は

「文字通り」だったわけですが…

わからなくも?ないですよね?(汗)

…以上、何はともあれ、

そういう「宗教観・世界観」

時代だったわけですよ。

「鰯の頭も信心から」

と言いますしね…(汗)

それでもこんな由来では…

それでもこんな由来では…

子供や外国の方に教えるのに

「抵抗」がありますよね。

何より自分の名前に使われてる漢字が

ダークソ○ルだったらどうしよう…

子供に付けた名前が怖すぎる…

ここはやはり、

金八先生ではないですが、

由来を無視して、

覚えやすい(覚えたい)見立て

をした方が良いかと思います。

:その道の首領(プロ)が指し示す

プロ(首領)がいるのが「道」

プロ(首領)がいないのが道なき道。

:草を枕に夕方横目に見るもの

「薨」は永眠…レクイエム…RIP…

:妖しくない綺麗な大蛇。

良い奴!無害!!吉!!!

:マグカップの取っ手を手に取る様

「最」は太陽を取ろうと手を伸ばす姿

:生活しか見えてないけど仕方のない様子…

「眠」は夢しか見えてないけど仕方のない様子…

字の「成り立ち」と「どう使うか」は別!

やはり、字の「成り立ち」

その字を「どう使うか」

分けて考えるべき問題ですね。

漢字のような

単語を表すタイプの文字だと、

どうしてもその成り立ちこそが

「あるべき姿」

のように思えてしまいますけど、

そこが本質じゃないように思います。

字の成り立ちは「語源」と似ている!

もちろん、そうした

「成り立ち」というのは

学術的には抑えなければ

行けません。

でもそれは言語における

「語源」のようなものだと思います。

例えば、イタリア語の

「Ciao(チャオ)」

「Schiavo suo

(スキアーヴォ スオ)」

「あなたの奴隷」

のヴェネツィア訛りが語源ですが…、

もう誰も、そんな意味では

使ってませんよね。

漢字の場合もこれと同じです。

もう誰も成り立ち通りに

その漢字を使ってはいない!

漢字はそもそも記号的!

ただ、それでも、

文字の場合は、言葉と違って、

「描かれているもの」というのが、

どうしても強い印象を持って来ます。

例えば、エジプトのヒエログリフ。

漢字と違ってほぼ「絵文字」です。

例)

「ライオン」

ここまでハッキリと描かれたら、

後世の価値観で意味を上書きするのは

かなり難しいですよね。

ライオン ×トラ

誰がどう見ても

「ライオンだろう!」

となってしまいますし、

仮に上書きできたとしても、

違和感が残ってしまいます…。

トラなんだ。シマシマないけど…

でも、漢字の場合はどうでしょう?

<前回の要約>

甲骨文字の段階で絵文字より記号的!

だから覚えないと、

見ただけでは何の意味かわからない!

そう、ヒエログリフと違って、

その成り立ちがあまりハッキリとは

描かれていません。

例)

「月」でも取ろうとしてるのかな?

エジプトの「ウジャト眼」??

そのため、

何かの拍子にその成り立ちが

忘れ去られ、別の意味に

上書きされちゃうんですね。

でもそのおかげで、

漢字は字の成り立ちにとらわれず、

時代に合せて意味を変えたり、

広げたりすることが出来ました。

書体の歴史は上書きの歴史!

その最たるものが

「書体の変化」です。

成り立ちを保存できなかった漢字は、

王朝交代などの政治要因も相まって、

書体を何度も作り変えることが出来ました。

例えば、篆書(てんしょ)になると、

「最」の字は「日」が加わります。

また、「愛」「受」

本来何の関連もない字でしたが、

兄弟のように空似してきます。

つまり、篆書の段階で

甲骨文字の要素が結構

削ぎ落とされてくるわけですね。

なので、もし、元祖の成り立ちこそ

「真の漢字」だとしてしまうと、

篆書の段階で「贋作(がんさく)」

になってしまうわけです。

訓読みの段階で成り立ちは無視!

それと、これはそもそも論ですが、

漢字に「訓読み」を当てた段階で

漢字本来の成り立ちや意味は

無視されてしまいます。

もちろん、和語に正しく

訳されたものもあるでしょうが、

日本語化されたものも結構多いです。

例)

たみ(田んぼで働くみんな)

もっといえば、

輸入前の漢語の段階で

すでに甲骨文字の意味から

離れていたと言えます。

たとえば、「道」なんて、

老荘思想でいう「タオ」ですけど、

でも、「タオ」に「首」がどうのなんて

「意味」は、微塵もありませんからね。

文字の意味は使う側が決める!

やはり、文字の意味を決めるのは

最終的には「作り手」ではなく、

「使う側(読み手・書き手)」です。

使う側が作り手以上に

文字の意味を決定するんです。

つまり、

「どう作ったか」よりも

「どう使われるか」に、

文字の生きた本質があるわけですね。

だからこそ「文字」は、言葉同様、

「生き物」になれるのでしょう。

人名と漢字の成り立ちも別!

なので、くれぐれも

誰々の名前の漢字は由来が…

とかいう話はしないようにして下さいね。

「字の由来」よりも

「どういう意味を込めたか」

生きた文字の本質として

大事なことなので…。

コラム:虹の象形文字🌈

甲骨文字では「不吉なもの」として

描かれていた「虹」

でも、数ある象形文字の中で

「虹」がこうもハッキリと

描かれているものは…

実を言うと漢字以外には

案外見当たりません。

(他にはトンパ文字くらい!)

記号的なデザインの甲骨文字にしては

けっこう特徴を捉えてますしね。

「モノクロ」でここまで

似せられれば大したものです。

明暗を反転させれば、

「ホワイトレインボー」

にもなりますし…。

また、「双頭の大蛇」という見立ても

案外「橋」よりも「虹の特徴」

捉えてるかもしれません。

虹の中には「橋」にしたら

渡れそうのないものも

結構多いですからね…。

途切れたり、斜めだったり、

丸かったり、急だったり…

もっと知りたい方のために♪

白川静博士の書籍

今回の記事は漢字研究の第一人者、

白川静博士の学説に則っています。

なので、博士の本が参考になります。

代表作である「字統・字訓・字通」

図書館で借りられますし、

入門書も2冊出ていてオススメです。

白川フォント

ダウンロードにメール登録、

商用利用などに許可が必要ですが、

こちらの「白川フォント(無料)」

甲骨文字・金文・古文・篆書などが

そろっていて参考になりますよ♪

甲骨文字スタンプ

前回の甲骨文字の記事に

おうさんがコメントで

教えて下さいました。

おうさん、ありがとうございます。

m(_ _)m

さて、このスタンプは

英語と併記してあるので、

甲骨文字が読めなくても

「意味」が取れます。

でも、英語が重なって

見えづらいので、

現代字訳しておきます。

また、一箇所誤用を見つけたので、

訂正も入れておきました。

(犬 赤)

藝(芸)ART 遊PLAY 夢DREAM 虹RAINBOW

東EAST 山MOUNTAIN 歯TOOTH 兄BROTHER

固FIX 星STAR 虎TIGER 育GROW

宣OATH 木WOOD 協COOP 官GOVERNMENT

北NORTH 余SURPLUS 自(鼻)SELF 子CHILD

宿INN 赤DOGRED 命LIFE 魚FISH

富WEALTH 冬WINTER 冊(柵)FENCE 穴HOLE

月MOON 米RICE 才OLD 毎EVERY

宮PALACE 左LEFT 右RIGHT 介THROUGH

酒ALCOHOLIC 舊(旧)ANCIENT 金MONEY <甲骨文字>

というわけで、今日はこの辺で。

それでは、また(への)/

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コメント♪

  1. t より:

    すんげー

    • ぺのっぺ より:

      tさん、漢字の成り立ち、
      驚いてくれたようで何よりです。
      コメントの承認遅れてすみません。

      この記事が漢字を楽しむキッカケに
      なってくれたら、うれしいです。