どうも、ぺのっぺです。
(への)/
今日は変体仮名の面白さを
「タオルひと拭き」に
まとめたものを見つけたので、
早速、ご紹介&解読して行きたいと
思います!
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タオルに「おてもと」?
それが、コチラ!
何と、寿タオルの表紙に
くずし字で何か書かれていますね。
ん?「おてもと」?
そう、一見、割り箸の箸袋で有名な
「御手元(おてもと)」に
見えます。
でも、どうやら違うようです。
では、一体、何と
書かれているのでしょうか?
早速、解読して行きましょう!
(への)/
解読!
4文字で書かれてる!
まず、4文字で
書かれているようです。
○○○○
全体にくずし字ですが、
つなげ書きをしていないので、
一文字一文字切れており、
文字数を把握することが出来ます。
これなら、一文字一文字、
順に解読して行けば、読めますね♪
(への)/
「る」は読める!
さて、すぐに読み取れるのが
末尾の文字!
これは「る」ですよね!?
=る
○○○る
そう、平仮名と変わりません。
ほぼ同じデザインの変体仮名です。
御の字?
次に、先頭の文字は…
「おてもと」でもお馴染みの
「御」の字でしょう。
=御
御○○る
ここまで来ると、何となく、
何が書かれているか
類推できそうですね。
もう一文字!
でも、その前に、
もう一文字だけ読んでみましょう!
御の字の下の文字。
これは…
多?
そう、変体仮名の「多」です。
=多(タ)
御多○る
もう、お分かりかと思います。
そう!
「おタオル」
と書かれているんです。
何と、そのまんまですね(笑)
というより、タイトルで
ネタバレ…(汗)w
「オ」は何の仮名?
でも、3番目の「オ」は
一体何の仮名で書かれて
いたのでしょうか?
実はこれ、
「越(を)」の字なんです。
変体仮名の「越(を)」
=越(を)
なので、
御多越留
つまり、
「おタヲル」
と書かれていたわけなんですね。
何と雅な「御たをる」なのでしょうか(笑)
工夫色々♪
でも、この「御タヲル」。
随所に工夫が見られます。
読める文字を混ぜる!
まず、読める文字を
混ぜているのが憎いですよね。
「る」
これが読めてしまうから、
他の部分はどう書いてあるのか
読めそうになってしまって、
読んでしまうんです。
「ヲ」
「タヲル」は、
歴史的片仮名遣いでも
「タオル」なので、
厳密には誤りです。
でも、わざと「ヲ」にすることで、
歴史的仮名遣い風にしているのは
粋な演出だと思います♪
4種の文字!
でも、何より、
4種の文字を混ぜている点が
素晴らしいです!
え?4種?「御」が漢字で
「る」が平仮名で…
残りは変体仮名だから、
全部で3種では?
確かに、文字分類では
そうですけど…、
①御:漢字の草書
②多:片仮名の「タ」に対応
③越:平仮名・片仮名
どちらにもない変体仮名
④る:平仮名の「る」に対応
「漢字草書+変体仮名3種」
だから、合計4種の色合いなんです。
変体仮名には…、
壱、現在の平仮名と
大して変わらないもの
「る」など*
弐、片仮名と
同じ由来のもの
「タ」など
そして…、
参、平仮名・片仮名
どちらにも残らなかったもの
「越」など
の合計3種類があるんですね。
これが、「タヲル一本」に
まとめられているわけです。
〜
*確かに、「る」は
変体仮名にしては、平仮名
そのもののデザインです。
でも、変体仮名は
平仮名・片仮名と違い、
時代や個人によっても
デザインに幅があるので、
これはあくまで変体仮名の
範疇だと思います。
でも、一応、比較の参考までに
変体仮名っぽいデザインの
「る(留)」を並べて貼っておきます。
やはり、右側の方が、
元となった漢字「留」の
面影を残していますね。
仮名選びも工夫されてる!
また、全体の仮名選びも
上手く工夫されてます!
「御」の字が恒例の
「おてもと」と同じ
デザインなのはもちろん、
「タ」には分かりやすい
「多(タ)」を選び、
「ヲ」には一見、
漢字の草書にも見える
「越(を)」を持って来て、
「ル」には平仮名そのものの
「る(留)」を持って来る。
そうすることで、
漢字と仮名の境を見失う
独特の「幻惑感」を
演出しているんですね♪
これは、
漢字のようで仮名文字な
変体仮名の特徴を上手く活かした、
素晴らしい仮名選択&文字配置だと
言えます。
何より、「くずし字」として
まとまってますね!
まとめ
御:漢字の草書
多:片仮名に対応
越:変体仮名独自の仮名
る:平仮名に対応
〜
ちなみに、
仮名のモデルになった漢字を
「字母」と言います。
なので、上のまとめは…
御:漢字の草書
多:タと同じ字母の変体仮名
越:独自字母の変体仮名
る:ると同じ字母の変体仮名
と言い換えることができます。
この「草書+変体仮名」の
3重奏が「協奏曲」となって、
タオル一拭いに収まっている。
お箸の「おてもと」とはまた違う、
独特の「変奏曲」ですよね♪
そもそも、
「おてもと」と違い、
「おタオル」はカタカナ語!
ですから、これを
変体仮名で表すというのは、
変体仮名の表現の可能性を
見せてくれるものだと思います。
〜
以上、変体仮名の「御タ越る」
ひと拭きでした。m(_ _)m
というわけで、今日はこの辺で。
それでは、また(への)/
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