二字に織り込まれた元四字熟語の世界…

どうも、ぺのっぺです。

(への)/

今日は二字に縮約された

「元四字熟語」の世界を

見て行きたいと思います。

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元とは?

その前に、なんで

「元」なのか?

それは、現在では

ほとんど二字熟語としてしか

使われることがないからです。

論より証拠!

実際に見て行きましょう。

元四字熟語

不屈←????

まず、

「不屈」

よく、「不屈の精神」

と言われますが、実はこれ、

元々は四字熟語だったんです。

それが…

「不撓不屈」??

さて、何て読むでしょう?

後半はお馴染みの不屈ですが

前半の「不撓」

見慣れない漢字ですよね?

読める方は読めると思いますが、

それでも「書け!」と言われたら、

すぐには出てこないかと思います…。

後半の「不屈」と違って、

あまり使わない漢字が

使われてるからです。

まず、「不撓」単体で

使うことはありません。

さて、それでは一体

何と読むのか?

正解は…

不撓不屈

(ふとうふくつ)

そう、「不撓(ふとう)」!

漢字の旁からはまるで

類推できない読み方ですね。

そのためか、前半は

不屈の精神を以ってしても、

維持することが出来なかった

みたいです(笑)

現在でも使うには使いますが、

不屈と違って、改まった印象が

ありますし…、何より

「読みづらい!」ですよね。

皮肉←????

次はこれ。

「皮肉」

なぜ「皮・肉」なのかは

わかりませんが、

よく使う言葉ですよね。

先程の「不撓」と違って、

よく使う漢字で構成されています。

では、この二字熟語、

元々はどんな四字熟語だったのか?

少し考えてみましょう!

ヒント>

「皮」と「肉」よりも

中心にあるもの!

さて、どうでしょう?

そのあるものを二字で

皮肉の後ろに付け足します。

それは…

「骨髄」!

「皮肉骨髄」!

そう、「骨髄」です。

より中心ですよね。

でも、一体何故に

「皮」「肉」「骨」「髄」?

実を言うと、これ、

元々の意味が皮肉じゃなかった

からなんですよ。

元々の意味は

達磨大師が禅の合格試験で、

4人の弟子の理解度を

評した言葉に由来します。

物事の皮と肉と骨と髄の

どこを理解しているか?

それを表現する言葉だった

わけですね。

お前は髄をわかっとる…

お前は骨まで行っとる…

お前は…まだ肉じゃな…

お前は皮にとらわれておる…

そういった意味合いを表す

言葉だったわけですね。

普通残るのは骨なのに、

皮と肉の方だけが残った…

何とも皮肉な話ですね?

ただ、この皮肉の話には

続きがあります。

それは、「皮肉骨髄」は

本来優劣ではなく、それぞれ良く、

「一体」であることを指した

言葉であったということです。

現在では、

遠回しに相手を非難したり、

思い通りの結果が出ないとき、

などにしか使いませんけど、

①あんだけ頑張ったから

分かったんだね?

(遠回しに相手を非難)

②頑張ったのに

分からなかったね?

(思い通りの結果が出ないとき)

本来はその優劣ではなく、

それぞれ一体のものとして

認める言葉だったんです。

でも、よくよく考えれてみれば、

「皮肉骨髄」は確かに

「一体」のものですよね。

皮肉だけが薄っぺらくて、

骨髄だけが良いとしたって、

骨髄だけじゃ、

体になりませんもん。

その証拠に、達磨大師は

4人とも合格にしています。

もし、優劣を付けてたら、

こんな採点は可笑しいですからね。

しかし、現代語には、

その「真髄」が伝わらなかった。

文字通り、

「皮肉」な意味合いだけが

残ってしまった…。

これまた何とも、

「皮肉」な話ですよね〜。

 

経済←経¥済¥

さて、次は、

現代人なら誰もが気にする

「経済」

経済学を知らなくても

ハウスエコノミー(家計)は

身を以って知っていますよね。

しかし、これが元は

「四字熟語」だったというのは

案外ご存知ないんじゃないでしょうか?

それが…

「経世済民

(けいせいさいみん)」

*旧漢字:經世濟民

ん?何だか漢文っぽいですね。

天声人語みたいな響きがあります。

でも、あながち間違っちゃいませんよ。

この言葉は元々、

世を経(お)さめ、

民を済(すく)う

の意味だからです。

これが、明治にエコノミーの

訳語として当てられました。

でも、元の意味は

経済よりも広いですよね。

世をまとめるんですから。

確かに、

「経済」はその中心に

あるでしょうけど、

もっと精神的な言葉な

感じがしますし…、

「政治学」や「社会学」

といった多分野も引っくるめた

言葉だったみたいですね。

流石←漱石

流石!

よく使いますよね?

でも、なぜこの当て字なのか?

よく分かりませんね。

そのまま読むと、

流れ石?

何か川の真中で精神修行でも

してる感じですよね?

でも、元四字熟語を紐解けば、

そんな疑問も氷解!

それが、これ!

漱石枕流

そう、夏目漱石ですね。

吾輩は猫である〜(ΦωΦ)

そのペンネームの由来となったのが、

この四字熟語なんです。

意味は、

自分の失敗を認めずに

屁理屈で言い逃れをすること。

その昔、

中国西晋せいしんの孫楚そんそ

「石に枕し流れに漱(くちすす)ぐ」

と言うべきとこを、

「石に漱(くちすす)ぎ流れに枕す」

と言ってしまい、

さすがにそれは可笑しいだろう!

と間違いを友人に指摘された際に、

石に漱ぐのは歯を磨くため、

流れに枕するのは耳を洗うためだ!

と言って、ごまかした故事に由来します。

とっさに思いついた誤魔化し方

一つ取っても、

その人の教養の深さが窺い知れる。

そこから、「さすが」という

言葉にも当てられたみたいですね。

あるいは、友人側の

さすがにそれは…」の方!

ただし、これはあくまで

一説に過ぎないので注意が必要です。

それにしても…、これをあえて、

ペンネームに持って来るとは…

流石は漱石ですね…。

元じゃない四字熟語

さて、今まで元四字熟語を

見て来ましたけど、

もちろん、今も四字熟語として

併用されるものもありますよ!

例えば、これ!

整理整頓

「整理整頓」♪

これは、四字でも前二字でも

後二字でも、どれでも使います。

例)

部屋を整頓して

気持ちを整理しよう!

整理整頓して、混沌を料理しよう!

中等学校・高等学校

もうひとつはこれ!

学校でお馴染みのこの言葉。

中学・高校」

といっても、四字の方は

学校の正式名称にしか

使わないですけどね。

でも、面白いのが

「二字」への略し方です!

中学の方は「学」の字なのに、

高校の方は「校」の字で、

省略します。

これは単純に、

「中高」の省略語や

「工学・光学」などと

語呂がダブらないように

したためだと思われますけど…、

省略の仕方が

案外自由だと分かる

面白い例だと言えます。

コラム:二字に化ける四字熟語

さて、四字熟語の中には

二字に直すと化けてしまう

ものもあります。

例えば、コレ!

虚数空間⇒??

漫画などでお馴染みの

「虚数空間」

ゲームなどでもキャラが

めり込む謎の空間を指して

そう呼ぶことがあります。

要するに、

「裏空間」ですね。

もちろん、漫画的造語ですから、

漫画の世界でしか使いませんけど…

この四字熟語を

「二字」創作すると、

こうなります。

「虚空」

だだっ広〜い、

「表空間」を指す

言葉になるんです。

というより、もはや仏教用語ですね?

何も妨げるものがなく、

すべてのものの存在する場所としての空間。

引用:goo辞書

ちなみに、「仏教用語」も二字に略すと、

「仏語(フランス語)」に化けます。w

魔法少女⇒??

さて、これも

漫画やアニメやゲームで

お馴染みですね?

「魔法少女」

もちろん、これも

漫画的造語なので、

漫画の世界でしか…(略)

さて、この四字熟語も

「二字」創作すると…

「魔女」

同じフィクション

・ファンタジーでも

まるで異なる世界の

登場人物に変身するんです。

ジャパニメーションから

ディ○ニーに!

ちなみに、

とある魔法少女アニメでは

この文字遊びを使って、

ダークファンタジーな設定を

作っていました。

一時期テレビでも

話題に昇ったので、

ご存知の方もいらっしゃる

かもしれません。

『魔法少女まどか☆マギカ』

ただし、こちらの作品は

絵柄に反して大人向けなので、

要注意!

「エヴァ」とか苦手な方は

よしておきましょう!

でも、作中に出てくる

「魔女文字」

デザインが秀逸で、

創作文字やカリグラファーの

参考になりますよ♪

フォントを作った

ファンもいるほど…。

それと、

作品名の略し方のひとつが

これまた文字遊びになっています。

『魔まマ』

一般語彙・漢語・漢字の「魔」

人名・和語・ひらがなの「ま」

外国語転写・カタカナの「マ」

秀逸ですよね?

でも、こうして、見てみると、

「省略」というのは、

結構自由で創作的なもの

なのかも知れませんね。

まとめ

不撓不屈の精神で

経世済民を志してきたが、

気づけば、ただの漱石枕流…。

皮肉骨髄とはこのことだ。

…こうなったら、一度、

気持ちを整理整頓して、

中学高校からやり直すか…。

虚空の魔女には仏語で

言いくるめられてしまったしな…。

というわけで、今日はこの辺で。

それでは、また(への)/

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