漢字は実は表意文字じゃなかった!では一体ナニ文字なんだ?【移転記事】

*この記事は

旧サイト「文字部スクリプタ」

からの移転&リニューアル記事

になります。

どうも、ぺのっぺです。

(への)/

今日は「表意文字」とは何か?

について「漢字」を例に

見て行きたいと思います。

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漢字はナニ文字?

漢字は実は表語文字

漢字は「表意文字」だと

一般に理解されています。

アルファベットや仮名と異なり、

「意味」を表すからです。

しかし、漢字には

音読みや訓読みといった

単語の「読み」があります。

ということは、

「表語文字」なんです。

表意文字はサイレント♪

なぜなら、表意文字は

「意味」だけを表し、

「単語」「単語の読み」

表さないからです。

そのため、

厳密な意味での「表意文字」

言語自体を表記しません。

なので、表意文字は

「文字」というよりは

「記号」に近い分類になるんですね。

(絵文字や顔文字など)

というのも、

言語を表記しない文字は

文字じゃないからです。

不完全表意文字

しかし、表意文字の中には

言語表記と混ぜて使われてる内に、

「単語」「単語の読み」

一律に割り当てられ、

表語文字化するものが出てきます。

その代表が

「アラビア数字」

アラビア数字は本来、

「数そのもの」を表し、

特定の言語の「数詞」

表しません。

しかし、世界中の言語が

数の読み書きのため、

それぞれの言語の数詞を当てて、

「表語文字」として使用しています。

つまり、数の概念

特定の言語の数詞に翻訳され

単語レベルに限定されて

使われているわけですね。

いうなれば、

「不完全表意文字」

意味が特定の言語に翻訳され

単語レベルに限定された

不完全な表意文字だと言えます。

表語文字と不完全表意文字

しかし、

この不完全表意文字

表語文字とよく混同されるんです。

例えば、漢数字

一見、アラビア数字と

同じ分類のように思えます。

2017(アラビア数字)

二千十七(漢数字)

確かに両者は非常によく似ていますよね。

でも、漢数字はあくまで漢字。

つまり、「表語文字」です。

なので、厳密には、

「数そのもの」ではなく、

日本語や中国語の数詞を表しています。

そのため、漢数字には

「位を表す漢字」

が併用されますし、

千百十

その言語の数詞に対応した

異なるバリエーションがあったりします。

二千十七(日本語)

两千〇一十七(中国語)

つまり、

それぞれの言語の数詞

「文字」を当ててるんですね。

そのため、

「文字」の仕様が

各言語の数詞によって

変わってしまうんです。

だから、漢数字は

「数字」というよりは、

「数詞漢字」といった

分類になるんです。

これに対し、アラビア数字は

「数そのもの」を表記してるため、

文字の仕様自体は変わりません。

2017(世界共通)

漢数字と違い、

「文字」に数詞を当てているので、

文字仕様が世界共通になるんです。

というより、むしろ、

言語の方がアラビア数字に合せて

仕様を変えているぐらいです。

というのも、アラビア数字には

「位取り」「演算の順番」など、

言語とは別に、

文字自前の文法があるからです。

そのため、どの言語も、

数字や数式を読むときだけは、

数式の文法に合せた

読み方をしています。

1+1=2

「一」足す「一」は「二」

「一」に「一」を足すと

「二」になる

日中の漢字を比較する!

さて、ここからは、

日中の漢字仕様の違いを

見て行きたいと思います。

まずはオリジナルの漢字である

中国語の漢字仕様から

見て行くとしましょう。

中国語の漢字仕様

現在の中国語の漢字仕様は

結構シンプルです。

中国語の漢字のほとんどが

「一漢字一音読み」

に対応しているので、

文字単位で

単語の読みが決まります。

そのため、

文字単位で

単語が読み取れるんですね。

「一漢字一単語」

少し図にしてみましょう!

<中国語の漢字仕様>

「一漢字一音読み」

文字単位で、

単語の読みが決まる!

「一漢字一単語」

文字単位で

単語が読める!

これは何だか、

英語(不完全表音文字)

実に対照的です。

英語は

文字単位では、

発音が決まらないのに、

中国語は、

文字単位で、

単語の読みが決まる。

片方の文字は、

シンプルな外見なのに

複雑な仕様。

A

もう片方の文字は、

複雑な外見なのに

シンプルな仕様。

外見とは裏腹の対照関係が

何とも奇妙ですよね。

日本語の漢字仕様

対し、日本語の漢字仕様は、

中国語の漢字仕様に比べて、

結構複雑です。

というのも、

ひとつの漢字に

多くの音読み+訓読み

割り当てられているからです。

<日本の漢字仕様>

「一漢字多音読み+訓読み」

そのため、

文字単位では、

単語の読みが決まりません。

つまり、

文字単位では、

単語が読み取れないんです。

「一漢字多単語」

文や熟語単位でないと、

どの読みなのか

決定付けられないからです

確かに、一字だけでも

ある程度、読めるには読めますが、

次に来る文字によっては

読み方を改めなくては行けません。

例)

「木」=き?モク? 

<次に来る文字次第!>

⇒①木が

⇒②木曜

そのため、日本語の漢字は

表意文字だとよく言われるんですね。

読みはいろいろでも、

漢字とその意味

単語が共有しているため、

読みよりも速く意味が読み取れます。

例)

「木」

「モク」でも「ボク」でも

「き」*でも意味は「ツリー」

*特に訓読みは

漢字の意味を決めてる!

いうなれば、

不完全表語文字です。

文字単位では、

単語が読み取れない。

文や熟語単位でないと、

単語が決まらない。

単語表記が

不完全な文字。

対し、中国語の漢字仕様では

文字単位で、

単語が読み取れます。

こちらは、いわば、

完全表語文字ですね。

まとめ

「アラビア数字」

数字(文字)に

数詞(言語)を当てる

   ↓↓

数字(文字)>数詞(言語)

不完全表意文字

「漢数字」

数詞(言語)に

数字(文字)を当てる

   ↓↓

数字(文字)<数詞(言語)

表語文字

<中国語の漢字>

「一漢字一音読み」

文字単位で、

単語の読みが決まる!

   ↓↓

「一漢字一単語」

文字単位で、

単語が読み取れる!

完全表語文字

<日本語の漢字>

「一漢字多音読み+訓読み」

文字単位では、

単語の読みが決まらない!

   ↓↓

文字単位では、

意味は読み取れても

単語が読み取れない!

熟語や文単位でないと、

単語が読み取れない!

不完全表語文字

以上、漢字はナニ文字?でした。

ここまでお読み頂き、

ありがとうございました。

m(_ _)m

というわけで、今日はこの辺で。

それでは、また(への)/

P.S.読まなければ表意文字!!

表語文字である漢字も

(笑)などのように

サイレントにすれば

「表意文字」になります。

また、「記号」

という扱いであれば、

演算符号を始め、

「!」「?」なども

表意文字に含めることができます。

ただし、数字や演算符号、

「&」表語化(音声化)されるので、

「不完全表意文字」だといえます。

その点で「!」「?」と異なるんです。

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