アルファベットの神話を疑え!①「26文字」は嘘つきだった!!

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アルファベットほど

完成した文字は他にない。

たった26文字で

万物を表現できる簡便さと、

母音と子音を分けて

表記できる優れた表音性から

世界中の様々な言語で

使われているほどである。

人類の行き着いた究極の文字体系

と言っても過言ではない。

さて、唐突ながら、

アルファベットの完全さを

数行でまとめてみました。(への)/

でも、そんなアルファベットにも

叩けば出てくるホコリというものがあります。

そこで、哲学部では、

今回から何回かに分けて

「完璧超人アルファベットのスキャンダル」

探って行きたいと思います。(への)

一回目の今日は、

アルファベット最大の売りである

「たった26文字神話」

から疑って行くとしましょう。

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ホントにたった26文字で“すべて”を表現できるの?

たった26文字覚えるだけで

“すべて”を表現可能になる

確かにこれがホントだったとしたら、

今すぐ全人類に叡智を授けることも

できてしまいそうです。(への;)

でも、少々論理の飛躍があるように思えます。

そこで、ためしに

「すべて」「全単語」

置き換えてみましょう。(への)

たった26文字覚えるだけで

“全単語”を表現可能になる

「全単語」ではまだ具体性に欠けるので、

「基本2000語」に置き換えて…

たった26文字覚えるだけで

“基本2000語”を表現可能になる

どうでしょう?

何がおかしいか見えて来ませんか?

試しに“英語”を代入してみると…

アルファベット26文字覚えれば

“英単語基本2000語”がつづれる

そう、

文字の暗記と単語の暗記を

同一視しているのが

おかしいんですよね。(への)

英単語を覚えるのに

苦労した私たちからすれば、

26文字と2000語が

イコールじゃないのは

経験則からわかります。

どう?26個全部覚えられた?
うん、26個の文字ならすぐ覚えたよ! 

でも、どう並べていいかわかんない。

もちろん、

英語の場合は外国語ですし、

「不規則なスペル」であるのが

最大の障壁であるわけですが、

仮に、母語で、

日本語のローマ字のような

「発音通りのスペル」だったとしても、

文字の暗記と単語の暗記は

やはり「別物」です。

あ〜、それは発音通りに並べるのよ。

聞こえたとおりに書くだけよ。

Hatuon? Hatuonって

もちろん、

発音通りのスペルなら、

知らない単語でも

「発音を聞けば」つづれますよ。

アルファベットは漢字と違い、

「発音を表す文字」ですからね。

でも、26文字の暗記

所詮26種類の発音の暗記

に過ぎないので…、

発音を聞かない限り、

音の羅列しかつづれません。

よくてオノマトペ(擬声語・擬態語)までです。

ZZZZZ!!

もちろん、ネイティブであれば、

子供でも基本2000語習得済なため、

26文字の暗記だけで、

紙の上に言語を再現できていまいますよ。

それこそ「魔法」のように。

でも、非ネイティブからしたら、

たったの26文字は、それこそ、

たったの26音でしかないわけです。

26単語の暗記でもなければ、

ましてや2000語の暗記でもありません。

<ネイティブ>

基本2000語習得26文字暗記

<非ネイティブ>

26文字暗記基本2000語習得

前提がちょうど真逆だからです。

ついでにいうと、

非ネイティブは

「発音」も習得していないので…、

「26文字」覚えても、

「26音」覚えられるとは

限りません。

<ネイティブ>

26音習得26文字暗記

<非ネイティブ>

26文字暗記26音習得?

だから、この神話はあくまで

”ネイティブ向けの神話”

なんですね。(への;)

26文字神話に必要なのは?

何はともあれ、

「たったの26文字で

“すべて”を表現可能になる!!」

というフレコミは、

ひどく限定的だったというわけですね。

少なくとも、

1,その言語の話者であり、

2,少なくとも発音は習得している

必要がありますし…、

3,発音通りのスペル

でなければいけません。

(4,同音異義語がない)

じゃないと、せっかく

単語の発音を覚えても…、

単語ごとにスペルを

覚え直す羽目になります。

もしかしたら、

漢字を覚えるよりも

大変かもしれません。(への;)

ただ、そのためには、

次の2点は満たさなければなりません。

一字一音(読みひとつ)

「C」のように

読みが複数あったら✗

「sh」「ea」のような

二重表記も✗

ただし、「st」のような

子音連続はOK!

「ts」も一種の子音連続なので

許容範囲

一音一字(文字ひとつ)

「C・K」のように

同音の文字が複数あるのも✗

なので、

英語アルファベットチーム

ここで脱落します。

日本語ローマ字チームは

ヘボン式以外ならクリアできそうです。

でも、これに加えて

4,同音異義語がない!

これも26文字神話には

必要な条件になってくるので、

日本語ローマ字チーム

ここで脱落しちゃいます。

なぜなら、

同音異義語があると、

発音通りのスペルで

単語を区別することが

出来なくなってしまうからです。

これでは、

「26文字で全てを表現できる!」

とは言えません。

同音異義語の使い分けを

別途覚える羽目になります。

確かに、日本語のローマ字は、

下手な西欧言語の

アルファベットに比べれば、

はるかに規則的ではありますよ。

でも、同音異義語の多い

日本語では、本領を発揮できず、

「4」で脱落しちゃうんです。

使用場面や品詞などで、

ある程度区別することは出来ても、

日本語の場合は、

同音異義語の「ケタ」

そのものが違いますからね。

このように見ていくと、

「26文字神話」というのは、

「文字の神話」というより、

「文字と言語の神話」

なのかもしれません。

先ほどの4条件

よくよく見てみると、

「1」と「2」と「4」が

「言語に関すること」

「3」が

「文字使用に関すること」

になっています。

やはり、

文字と言語の「相性」というものが、

この神話には不可欠な要素のようです。

26文字神話は言語ありき!

とにもかくにも、

26文字神話

文字暗記 発音暗記単語暗記

であるためには…

同音異義語のない「言語」で、

発音通り「文字」を使う必要がある  

ということなんですね。

でもそんな言語、

人工的に調整された言語を除いては、

まず、なさそうですよね。(への;)

「3」はクリアできても、

「4」が案外手強いので…。

ヨーロッパの言語はもちろん、

アジア・アフリカの言語でも難しい

まあ、何はともあれ、

この神話はネイティブにとっても

文字通り「神話」だったということですね。

漢字数とアルファベット数は中身が違う!!

さて、26文字神話のやり玉としてよく

「漢字数の多さ」が挙げられます。

アルファベットは

26文字覚えれば

それで済むのに、

漢字ときたら

2000字暗記しても

まだ足りない。

確かに、

このように比べられると、

漢字がひどく不便なものに

思えて来ますよね。

でも、それは

漢字数とアルファベット数を

同一視しているから

そう思えるだけに過ぎません。

別のものとして見れば、

漢字数がそんなに

多くないことがわかります。

なぜなら、

漢字26文字

アルファベット26文字とでは

習得の中身がまるで違うからです。

日本人:

たった26個の漢字

全て書かれてる!? ✗

欧米人:

2000字以上のアルファベット

の暗記が必要なのか!? ✗

むしろ、漢字数は

「単語数」と比較すべきものです。

一漢字一単語

一熟語一連語

同じ部首類語や派生語

アルファベットに

<文字×言語>の辞典がなくて、

漢字に【漢和辞典】がある理由も

ここにあります。

「単語数」としてみれば、

漢字数はむしろ

妥当なんです。(への)

常用漢字2136字

基本2000語

ただ、それでも、

各言語事情によって、

「単語数」「漢字数」

正確に比較するのは難しくなって来ます。

日本語のように使用言語との

「相性」もありますしね。(への;)

音読み・訓読み・同音異義語

・和語・漢語など、

諸々の要素も絡んで来ます。

まとめ

  • 26文字単語習得
  • 26文字神話は難しい
  • 漢字数アルファベット数

26文字で書かれているからといって、

26文字の暗記で読み書き出来るわけじゃない!!

ついでにいうと、26文字神話は

ちゃっかりサバ読んじゃってます。(への;)

大文字入れると52文字

(筆記体入れると104文字)

<ひらがな・カタカナと同じぐらい>

まあ、そもそも

「文字種の少なさを

優劣の基準にしている」

のがおかしいんですけどね。

それだと、

古代ローマ字の方が

「大文字」だけだったので…、

現行のアルファベットより

「倍」は優れていたことに

なっちゃいますし。(への;)

abc<ABC

もっと言えば、

「デジタル」の方が

「0」「1」だけで

全てが書かれているため、

あらゆる文字を超越して、

殿堂入りしちゃいます。

abc<01

やはり、

「文字種の多さ」

「文字の優劣」

「別物」なんです。

というわけで、今日はこの辺で。

次回は

「母音と子音を分けて

表記できる優れた表音性」

のところを見て行きたいと思います。

それでは(への)/

補足#

○そもそも論ですが、

「26文字」というのは、

あくまで、

英語のアルファベットに

限定した場合です。

それ以外の言語には

当てはまりません。

例えば、

フランス語やドイツ語では

「特殊文字」が加わりますし…、

反対に、

イタリア語や日本語のローマ字では、

26文字全部使わないので、

少なくなります。

この記事では、

英語とローマ字の26文字

ということで話を進めていますが、

この神話はすべての言語の

アルファベットに共通するものです。

もちろん、

その神話が成り立たない!

ということも含めて。

なので、この神話は

英語とローマ字だけの神話ではありません。

●また、これも補足になりますが、

アルファベットとローマ字は

「イコール」ではありません。

アルファベットは

あくまで文字の名称ではなく、

文字体系・表記システムの名称なので、

ローマ字以外にも、

ギリシャ文字やロシアのキリル文字…、

さらには、北欧のルーン文字や

アルメニア文字などが含まれます。

もちろん、これらの文字にも

今シリーズの内容は当てはまりますよ。

◎それと、文字ブでは通りの良さから

「ローマ字」という語を使っていますが…、

「ローマ字」の正式名称は

「ラテン文字」

(ラテン・アルファベット)です。

「ローマ字」だと、

日本語表記のローマ字も指すので、

区別したい場合はこちらを使って下さい。

<用語まとめ>

アルファベット

ラテン文字・ギリシャ文字・キリル文字

などなど

表記システムの名称

ローマ字

日本語をラテン文字で表す表記法

表記法の名称

ラテン文字

英語やフランス語・ドイツ語

などで使われている文字

文字の名称

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コメント♪

  1. ゴルフワン より:

    今回も、面白い話題をありがとうございます。

    よく考えてみれば、アルファベットを組み合わせて意味を持たせたのは、人間(?)ですから、専門的な世界では如何ようにも意味をいじることができてしまいますよね。

    私の知っている範囲では、船の世界で旗でアルファベットを表現することや、無線通信の世界でアルファベットを組み合わせてそれに意味を持たせていることです。
    こうした世界では、アルファベットに意味を持たせることで、世界共通の認識を持たせることに役立っているのではないでしょうか?

    一方で、漢字は年末に「今年1年を漢字で表すと?」と言われるように、一文字に様々な思いを込めることが可能ですよね?
    文字の羅列よりも、1文字に様々な意味を込めることに、ときめきを感じます!

    • ぺのっぺぺのっぺ より:

      ゴルフワンさん、今回もコメントありがとうございます。
       
      >>私の知っている範囲では、船の世界で旗でアルファベットを表現することや、無線通信の世界でアルファベットを組み合わせてそれに意味を持たせていることです。
      こうした世界では、アルファベットに意味を持たせることで、世界共通の認識を持たせることに役立っているのではないでしょうか?

       
      「国際信号旗」「モールス信号」ですね。
      確かに、ポニョやコクリコ坂で有名なUW(ご安航を祈る)やUW1(あなたの協力に感謝する、ご安航を祈る)は世界共通で使われていますよね。
       
      表音文字であるアルファベットにあえて意味を持たせ、漢字のように使っているのが面白いところです。
       
      この記事では何回かに分けて「アルファベット」の神話を疑っていきますが、やはりアルファベットは他の文字にはない長所を持っていますね。
       
      ただ、短所もあるので、哲学部ではこれから何回かに分けてその過大評価を疑い、一長一短を明らかにしていきたいとは思います。
       
       
      >>一方で、漢字は年末に「今年1年を漢字で表すと?」と言われるように、一文字に様々な思いを込めることが可能ですよね?
      文字の羅列よりも、1文字に様々な意味を込めることに、ときめきを感じます!

       
      まさに書道の醍醐味ですよね。
      一字一語だからこそできる漢字のお家芸です。
       
      こうした文化以外での漢字の存在意義、利便性に関してはいづれ哲学部で扱いたいと思います。

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