どうも、ぺのっぺです。
(への)/
半年遅れの年賀絵に続いて、
今日は今年にふさわしい文字である
「オガム文字(ogham)」を
ご紹介して行きたいと思います♪
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申年の文字は猿の木登り!
まず、申年にふさわしい文字となると、
年賀絵のヒヒのヒエログリフが浮かびますよね。
でも、そのノリで選ぶと、
ほとんどの干支がヒエログリフで
大方まかなえてしまうので、
今回は「ひとひねり」加えてみました♪
その「ひとひねり」とはズバリ!
蟹(カニ)の横這い
猿の木登り
です。
これは、
「他人から見て、それが不自然に見えても、本人にとってはそれがいちばん妥当であることもある。」
出典:美しい日本のことば
という意味のことわざです。
生き物の進化に当てはまることわざですが、
これは文字と言語にも当てはまります。
私たちの使っている
日本語と漢字仮名交じり文は、
周りからすると奇妙奇天烈、
不便そうに見えますが、
私達からすると何だかんだ言って、
これが一番しっくりくるんですよね。
(への)
また、反対に、
私達からすると奇妙奇天烈、
不便そうな文字というのも
結構あったりします。
例えば、
ロシアのキリル文字は
鏡文字のRなど、
「Я」
文字化けに見えてしまいますし、
アラビア文字に至っては
ミミズの這った跡にしか
見えません。
(もはや文字でなく模様に見える!)
でも、『カラマーゾフの兄弟』は
ロシア語とキリル文字で、
アル・フワーリズミーの
『代数学』は、
アラビア語とアラビア文字で
書かれました。
あんな不便そうな言語&文字で
そんな高度なことが…
そう思えてしまいますが、
これぞ、まさしく
「蟹の横這い」
なんです。
そうそう、「蟹」といえば、
明治になって西欧の文物が
入って来たとき、
人々は横書きの欧字:
アルファベットを見て、
「蟹文字」と呼んでいました。
これは中々面白い
ネーミングですよね。
(への)
当時の人々にとって、
「横書き」というのが、
どれほど奇っ怪だったかが、
うかがい知れるネーミングです。
「横文字」とも
ちょうど、今の私達が
アラビア語の「右横書き」を
奇妙に思うのと似てますね。
かくいう私達の日本語だって、
ついこの間まで
右横書きだったわけですが…
オガム文字は拝む文字
それでは、
前置きが長くなって
しまいましたが…、
そろそろ「猿の木登り」である
「オガム文字」に登場して
もらいましょう!
と、その前に、
このオガム文字が
「どんな文字」なのか?
少し考えてみて下さい。
(への)
ヒント:
「奇妙な縦書き」
「猿の木登り」
ということだけあって、
奇妙な「縦書き」をします。
そのさまは、
まるで天を「拝む」ようです。
では一体、
その特徴とは何でしょうか?
それは〜〜
「下から上に縦書きされる!!」
です。
何だか、天に届きそうな
書き方ですよね?
まさに
「猿の木登り」
です。
↓↓下記サイトでひらがな名前変換が出来ますよ♪
さて、このオガム文字は
アイルランドのドルイド
(ケルトの僧侶)たちが
使っていた文字です。
でも、その奇っ怪さとは裏腹に、
仕組み自体はローマ字と同じ
だったりします。
また、北欧のルーン文字のように、
各文字に意味付けがされ、
植物と結び付けられていました。
確かに、「下から上への縦書き」は
植物が天に向かって伸びていくさま
を思わせますよね。
え? むしろ郵便はがきの
バーコード*に見える?
いやいや、それは
「白黒」だからです。
ちゃんと「緑色」にすれば、
植物に見えて来ますって。
試しに、葉っぱの
カルトゥーシュ(輪)を付けて、
より植物っぽくしてみました。
↓↓(への)
これなら、葉脈やDNAの螺旋階段に
見えますよね?
*ちなみに、郵便葉書のバーコードは
カスタマバーコードっていうそうですよ。
日本のある文字も猿の木登り
さて、以上が
「今年の申文字」
についての説明になります。
ただ、一点だけ補足があります。
「下から上への縦書き」
実は日本にも限定的ながら、
「猿の木登り」が
「ひとつだけ」存在するんです。
それが、
「卒塔婆(そとば)」
です。
そとば?
そう、お墓のあれです。
お寺のあの文字ですよ。
梵字(ぼんじ)
(正確には「悉曇文字(しったんもじ)」)
です。
『五輪書』で有名な
あの「五輪(ごりん)」の文字です。
実はあれも
下から上に書く(読む)んです。
ア・バ・ラ・カ・キャ
地・水・火・風・空
ただし、これは
「卒塔婆」や「五輪塔」
にしか使われません。
梵字はあくまで、
「左横書き&通常の縦書き」
が普通なんです。
オガム文字のように
コンスタントには
「下から上に」書かないんですね。
ただ、オガム文字も
「横書き」されたり、
「輪つなぎ」に書かれる
こともあったので、
厳密には、
「木登り」だけでは
ないんですけどね。(への;)
木登りのメリット
さて、それでは最後に、
木登りの利点について
考察しておきたいと思います。
1,天に届きそう♪
これは
「宗教的価値観」を
体現させるには、
持って来いの特徴ですよね。
あるいは、
「世界観」や「宇宙観」を
表してくれるかもしれません。
2,遺跡ダンジョンの謎解き!?
巨大ブロックに
オガム文字が書かれていて、
積み木のように
組合わせると文が完成し、
文字が光って扉が開く…
…ゲームに使えませんか?
3,珍しい!!
「珍しい!!」
というのは
それだけで価値があります。
架空文字でも
私の知る所では例がないので、
創作文字で作ってみるのも
ありだと思います。
確かに、フォントにするとなると、
書字方向の再現が壁ですが、
手書きならできますからね。
フォントでも
逆に打っていけば
何とかなるはず…。
〜
以上、3点しか
浮かびませんでしたが、
他に何か利点があったら
是非教えて下ださい♪
というわけで、今日はこの辺で。
それでは、また(への)/
P.S.
そういえば、「申」って
ケルト十字にそっくりですよね?
「礻」を付けると
「神さま」になる辺りも
面白い偶然だと思います。
というわけで、今回の扉絵は
「申」と「オガム文字」の
「合字」にしてみました。
2つ合わせて、
「おがむ(ogamu)+申
=拝み申す」です。
でも、このデザインだと
ケルト十字というよりは、
ロシア十字になっちゃいますね(笑)
=ロシア正教会で使われる十字架で、
カタカナの「キ」みたいな形をしている。
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