*この記事は
旧サイト「文字部スクリプタ」
からの移転&リニューアル記事
になります。
どうも、ぺのっぺです。
(への)/
今日はローマ字では
俳句が捻れないことについて
書いて行きたいと思います。
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◇ローマ字で五七五が表せるか!?
さて、俳句といったら
「五七五」ですよね。
そこで早速、
有名な芭蕉の句で見てみましょう!
古池や 蛙飛び込む 水の音 ふるいけや かはづとびこむ みづのおと 五 七 五 |
何と美しい日本語のリズムでしょうか。
仮名に直すと、
文字数と拍の数が
ピッタリと合うではありませんか。
声と文字が
見事にシンクロしています。
さすがは平安の昔から
和歌を読んできた仮名ですよね。
もっと遡れば万葉まで行きますし。
それにしても、
仮名と漢字の織りなす
「視覚言語」としての
俳句もいいものですね。(への)
漢字がキャラクターで、
ひらがなが背景になる。
これは複数の文字を使っている
日本語だからこその味わいですよ。
宮沢賢治の作品などを見ると
つくづくそう思います…。
おっと、話がそれました。
美しい日本語のリズムについてでしたね
(への;)
それでは、話を戻しまして、
このリズム、
本当にローマ字では表せないのか?
芭蕉の句で検証して行くとしましょう!
文字数とリズムが
規則的なら◯ 不規則なら☓
ここでは、母音と子音が
一字ずつ対になっている
「日本式ローマ字」で検証して行きます。
対なので「五七五」が
「10・14・10」
になっていれば、
リズムを表せてることになります。
古池や 蛙飛び込む 水の音 ふるいけや かはづとびこむ みづのおと 五 七 五 Huruikeya Kahadutobikomu Midunooto 9 14 9 |
「9・14・9」?
日本式ローマ字で綴ったのに
「10・14・10」と
二倍にはならないようですね。
何やら新しい規則が
見付かりそうでもありますが…。
では他の句ではどうでしょう?
閑かさや 岩にしみ入る 蝉の声 しずかさや いはにしみいる せみのこゑ 五 七 五 Sizukesaya Ihanisimiiru Seminokowe 10 12 10 |
おや?これは、さっきとは違いますが、
五が二倍の「10」になっています。
しかし、七は「12」ですね。
では、これならどうでしょう?
夏草や 兵どもが 夢の跡 なつくさや つはものどもが ゆめのあと 五 七 五 Natukusaya Tuwamonodomoga Yumenoato 10 14 9 |
おしい! 最後が「9」です。
芭蕉の句を3つ使って
検証してみましたが、
どうやら、ローマ字では
「リズムそのもの」を表せないみたいですね。
◆ア行、おまえだったのか!
でも、その理由は
至ってシンプル!
それは、
「ア行」だけ
対になる子音を含んでないからです。
そのため、五十音図に倣った
日本式ローマ字で綴っても、
ちょうど「2倍」とは行かないんですね。
(ヘボン式は論外!)
もちろん、
「ア行」を含んでいない句なら
日本式ローマ字でも
「10・14・10」に出来ますよ。
ただし、仮名と違って
かなり限定的です。
平仮名は 数でリズムが 読めるのさ! ひらがなは かずでリズムが よめるのさ 五 七 五 Hiraganaha Kazuderizumuga Yomerunosa 10 14 10 |
語呂的に「ひらがな」にしてありますが、
「カタカナ」でもOKです。
というわけで、今日はこの辺で。
それでは、また(への)/
P.S.(んッー)
●拗音は旧仮名遣いでは
「大文字」ですが、
これは例外です。
いろはかるたの最後に
「京(拗音)」とある通り、
俳句や和歌には
あまり使われないんです。
京=きよう
何より新仮名遣いでは
「小文字」ですからね。
京=きょう
○さて、ここでは省きましたが、
特殊拍と呼ばれる(んッー)も
結構困ったちゃんです。
なぜなら、ローマ字には
この3つを表記する機能が
ないからです。
「ん」なら「nn」と綴れば
辛うじて何とかなりますが、
「ッ」や「ー」は
ア行同様、一文字少ないので、
これもあいまって、
ローマ字はリズムを
表すことが出来ないんですね。
…ところで、この
(んッー)
何かの顔文字に見えますね。
頭抱えて「ん〜」と悩んでいる
私の顔でしょうか。(への)
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