*この記事は
旧サイト「文字部スクリプタ」
からの移転&リニューアル記事
になります。
どうも、ぺのっぺです。
(への)/
今日は残りの
「③表音か表意か表語」
について考えて行きたいと思います。
これを考える際のポイントは
文字が言葉にまさる役割とは何か?
を見ることです。
以下メリット・デメリットに分けて
見て行きましょう!(への)/
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「表音文字」とは!?
ズバリ!
「言語を発音単位に切って表記する文字」
言語:/dˈɔːg/ ⇔ 事物:🐶
↑(表記)
文字:「D/o/g」(発音単位)
使用者は 文字と発音との結び付きだけを学習し、 文字の表す発音を言語と結び付けることで、 内容を読み書きする。 |
そのため、他の2つに比べ
言語の発音を残すことに長けています。
例)アルファベットや仮名など
<メリット>
①発音を表記できる!
②正確な発音を書かなくてもいい!
<デメリット>
①文字自前の概念がない!
②表記してる言語が残らないと
「意味」を残せない!
メリット①発音を表記できる!
後述しますが、
表意文字には発音がなく、
表語文字には発音はあるものの、
発音単位での表記ではありません。
なので、表音文字は、
三者の中で唯一、
発音を表記できる文字なんですね。
メリット②正確な発音を書かなくてもいい!
発音表記が特徴の
「表音文字」ですが、
「発音記号」ではありません。
あくまで、
事物を単語として区別し、
表記するためのものです。
なので、単語を特定できるなら
正確な発音を書く必要がないんです。
発音表記を多少違えても
母語話者であれば、
容易に読みを再現できてしまいます。
例)「water」⇒/wˈɔːṭɚ/
デメリット①文字自前の概念がない!
「表音文字」はあくまで
音声言語の書記です。
なので、
言葉の影に過ぎません。
どんなに美しい飾り文字も、
意味そのものは、その言語を
投影したものに過ぎないんです。
そのため、文字単体では
意味の関連付けが出来ないんですね。
(への;)
表意文字や表語文字とは対照的!
デメリット②表記言語が残らないと「意味」を残せない!
「表音文字」は
「意味」を残せません。
「意味」が読み取れるのは、
あくまで表記してる言語が
残っていることが前提です。
そのため、
千年後に遺跡で発掘されても、
その言語が残っていなければ、
「音の羅列」としか認識されないんです。
(への;)
「表意文字」とは!?
ズバリ!
「事物を直接表記する文字」
言語:/dˈɔːg/ ⇔ 事物:🐶
(表記)↑
文字:「Dog」←(翻訳)U^ェ^U
使用者は 文字と事物との結び付きを学習し、 文字の表す事物の概念を 自身の言語に翻訳することで、 内容を読み書きする。 |
そのため、言語を越えて
「意味」を伝えることが出来ます。
例)アラビア数字や数式
絵文字や顔文字など
例えば、アラビア数字や数式は
どの言語にも属さない
ある種の文法を持っています。
(位取りや演算符号など)
また、顔文字は、
国による違いはあるものの、
「表情」という
言葉いらずの意味を表しています。
<メリット>
①言えなくても読める!
②表音文字や表語文字を作れる!
<デメリット>
①作れるものが限定的!
②言葉を残せない!
メリット①言えなくても読める!
発音できない外国語でも
数字や顔文字なら「意味」が取れます。
「発音はわからない、
だけど意味は読める!」*
これこそ「表意文字」の特徴ですね。
(への)
*まあ、そもそも表意文字は
発音する文字ではないので、
発音がわからない必要もないわけですが…。
ただ、
「アラビア数字」だけは
意味を読み取る都合上、
それぞれの言語の発音に
読み下す必要があります。
メリット②表音文字や表語文字を作れる!
「2」を「two」と読めば
単語を表す表語文字。
対し、
「2U(to you)」は
「2」の意味がないので、
「表音文字」になります。
デメリット①作れるものが限定的!
「数字」ならまだしも、
表意文字は言語を介さないので、
作れるものが、かなり限定されてしまいます。
また、顔文字や絵文字など
使用も限定的です。
デメリット②言葉を残せない!
言語を記録できないので
言葉が残りません。
骨のように言葉を超えた
「意味」だけが漠然と残ります。
(への;)
例えば、「数式」は
世界中の言語で読まれていますが、
世界中の言語を表記している
わけではありません。
なので、
千年後に数式だけ発見された場合は
その数式が未来語で解読され、
その未来語で読まれるんですね。
また他にも、顔文字などは、
洞窟壁画のように残ったとしても、
その言語のことを伝えてはくれません。
<顔文字遺跡>
(^^) U^ェ^U (=^・^=)
まさに「黙読」!
「表語文字」とは!?
ズバリ!
「言語を単語単位に切って表記する文字」
言語:/イヌ/ ⇔ 事物:🐶
↑(表記)
文字: 「犬」(単語単位)
使用者は 文字と単語との結び付きを学習し、 文字の表す単語でもって 直に内容を読み書きする。 |
そのため、先の2つに比べ、
単語を直に書き、直に読むことが
出来るんです。(への)
例)漢字や漢数字など
<メリット>
①発音と意味の二刀流!!
②文字と言語が対等!
<デメリット>
①単語数=文字数!
②覚え切れない・作り切れない!
メリット①発音と意味の二刀流!!
「単語」には、
発音と意味の両方があるので、
片方ずつ当てて使うことが出来ます。
例)当て字
瓦斯(ガス)
→「発音」(表音的)
果蜜(シロップ)
→「意味」(表意的)
こうして、ある単語の発音や意味を
別の単語の表記に当てられるのは、
「表語文字」ならではの芸当ですね。
メリット②文字と言語が対等!
「表音文字」と違って、
「表語文字」は言語の影ではありません。
そのため、
文字が自前の意味カテゴリーを
持つことが出来ます。
例えば、漢字の「木偏」。
単語の発音上では
木のカテゴリーがないのに、
漢字にすることで、
木のカテゴリーがハッキリとします。
サクラ マツ ウメ
桜 松 梅
つまり、漢字は、漢語や和語とは
また「別の辞書」を持っているんですね。
そのため、
意味の関連付けや単語の連想が
文字と言語の両面から行えるんです。
デメリット①単語数=文字数!
「表語文字」にも
「発音」はあります。
でも、発音単位ではなく、
「単語単位」での表記なため、
単独で使用する場合は、
単語の数だけ
文字が必要になるんです。
でも、その数は膨大!
漢字の部首のようにして
派生文字を作ったり、
熟語などを駆使したとしても、
単独で使用できるだけの
「数」を揃えるのは大変です。
やはり、
「表音文字」と併用する
などしないと、
日々生まれて来る単語に
文字製作が追い付かなくなり、
単語を表記し切れなくなります。*
*実際、日本語は、
二刀流で作った仮名を
漢字と併用しています。
漢字だけでは日本語を
表記できないからです。
ちなみに、万葉仮名は
漢字の外見ですが、仮名です。
デメリット②覚え切れない・作り切れない!
漢字の部首のように
「組み合わせ」で
覚えられる面もありますが、
それでも、表音文字と比べると、
どうしても覚えるのが大変になります。
(への;)
何より、単語数には
上限がありません。
有限個の表音文字と比べると、
無限大の可能性には満ちているものの…、
その分、どうしても作り切れず、
覚え切れなくなってしまうんです。
まとめ
●表音文字は言葉の影!
⇒言葉を読む!
○表意文字は言葉いらず!
⇒言葉で読む!
◎表語文字はもう1つの言葉!
⇒言葉と読む!
以上、今日はざっくりと
三者比較をして参りました。
次回はもっと具体的に
見て行きたいと思います。
それでは!(への)/
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